下水道排水基準

• 学内にある施設は水質汚濁防止法でいう特定事業場にあたり、その特定事業場から
• 公共下水道に排出される排水には、下水道法・仙台市下水道条例等により排除基準
• が定められている。
  特定事業場から排除基準に適合しない下水を排出した場合は、過失であってもその
• 違反者に対して、罰則の規程がある。

　下水排除基準一覧表

(備考)　

• １・ 単位は㎎/ℓです。ただし、『水素イオン濃度』には単位がありません。
• 　　『ダイオキシン類』はpg-TEQ/ℓ です。
• ２・ 黄色枠内は直罰規制に係る排除基準です。
• ３・ 白枠内は除害施設の設置等の義務に係る排除基準です。
• ４・ 排水量は、1年あたりの公共下水道へ排出される下水の量を、事業場の稼働数で除した
• 　　ものとします。
• ５・ 『ダイオキシン類』の基準は、事業場の施設及び所在地により、適用されない場合があり
• 　　ます。
• ６・ 『ほう素及びその化合物』、『ふっ素及びその化合物』の(　　)内の排除基準は、海域を放
• 　　流先とする終末処理場に流入される場合に適用されます。
• ７・ 『ほう素およびその化合物』、『ふっ素及びその化合物』、『アンモニア性窒素,亜硝酸性窒
• 　　素及び硝酸性窒素』は、 業種により暫定基準が設けられています。
• ８・『アンモニア性窒素,亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素』は、仙台市下水道条例により基準値
• 　　が定められています。

　廃液規制値　概要

＊水素イオン濃度（ｐＨ）

• PH（水素イオン濃度指数）　溶液の酸性、アルカリ性の強さを簡単な指数で表したものであ
• り、汚染等の水質変化の指標となる。
• 経験的に下水排水の場合は主に屎尿などが含まれるので、アルカリ性に傾く。

＊生物化学的酸素要求量（ＢＯＤ）

• Biochemical Oxygen Demand（生物化学的酸素消費量）の略。水中の好気性の微生物に
• よって消費される酸素量であり、水質汚濁を測る代表的な指標である。
• この数値が大きいほど水中の炭素系有機物質の量が多いことを示している。

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• Suspended Solid（浮遊物質）の略。水中に浮遊又は懸濁している直径2mm以下の粒子状
• 物質のことである。粘土鉱物に由来する微粒子や、動植物プランクトン及びその死骸、下
• 水、工場排水等に由来する有機物や金属の沈殿物が含まれる。粒状物質(particulate
• matter:PM)、セストン(seston)等ともいう。

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＊ノルマルヘキサン抽出物質

• 鉱油及び動植物油等の油分の量を表す指標である。
  水中に含まれる比較的揮発しにくい炭化水素、炭化水素誘導体、動植物油脂、グリース、
  脂肪酸類、エステル類、アミン類、フェノール類、界面活性剤、コロイド状硫黄など　ヘキサ
  ン抽出物質に含まれる。

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＊沃素消費量

• 硫化物、鉄（Ⅱ）塩、不安定な有機物質、不飽和結合を有する有機物質等の還元性物質に
• よって消費される沃素量。沃素消費量は、これら成分による消費量の総和によるもので内
• 容はあまり明確ではない。下水の硫化水素濃度の基準として定められたといわれる還元
• 性物質によって、管路作業の酸欠や硫化水素による腐食、微生物処理における送気倍率
• の上昇などの障害が生じる。

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＊フェノール類

• 石炭酸に代表される芳香族炭化水素のヒドロキシ化合物。
• 環境水中からの観点からは、人の健康への影響を評価できる情報は現状では報告されて
• いない。フェノールを含む水を塩素消毒することにより、クロロフェノール類が生成される。
• クロロフェノール類は、フェノールより非常に低い濃度でも不快な臭気となる。
• WHO（1996）では人に対して　発がん物質の可能性あり　と分類している。

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＊銅及びその化合物

• 鉱山排水、工場排水、農薬の混入や給水装置等に使用する銅管、真ちゅう器具などからの
• 溶出に起因することが多い。銅による水質汚染が問題になった例としては、足尾銅山の廃
• 水によって渡良瀬川が汚染され、水稲の生育阻害などの著しい被害を生じた足尾銅山鉱毒
• 事件が有名である。銅は水生生物に対し、急性毒性も慢性毒性も非常に強いことで知られ
• る。

＊亜鉛及びその化合物

• 鉱山・工場排水もしくは、亜鉛メッキ鋼管からの溶出による場合があるが、人体に対する毒
• 性は低く、人の許容摂取量は10～15㎎／日程度といわれている。植物や微生物、魚類に
• 対しては強い毒性があることが知られる。

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＊鉄及びその化合物

• 鉄のクラーク数は4.7で、自然界において酸素、ケイ素、アルミニウムについで4番目に多い
• 元素である。環境水中に懸濁物（Total　iron）としてかなり多量に含まれる場合もあり、法規
• 制では溶解性のものだけに限定している。鉄分が多いことで、臭味や着色（赤水）の原因と
• なることも知られ、配管内に析出し、スケール障害に至る場合もある。また、ある種の形態の
• 鉄は富栄養化現象の中で藻類の発生を促進する働きがあるといわれている。

＊マンガン及びその化合物

• 自然界における挙動が鉄と似ており、鉄と同様の理由で溶解性のものだけが規制されてい
• る。臭味、着色（黒色障害）による利水面での影響や、毒性は鉄よりも強く、高濃度のマン
• ガンを摂取すると神経症状の毒性を示す報告がある。

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＊クロム及びその化合物

• Ⅵ価クロムと異なり、Ⅲ価クロムは毒性が少ないとされている。Ⅲ価クロムが存在する環境
• 水中では残留塩素による酸化により6価クロムが生じることが知られる。

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＊カドミウム及びその化合物

• イタイイタイ病の原因物質となった金属である。カドミウムで汚染された食物や水を摂取する
• ことにより骨軟化症などの慢性的な中毒症状をきたす。

＊シアン化合物

• シアノ基（CN）を有する有機・無機化合物の総称。
  水中のシアンはシアンイオン、シアン化合物、シアン錯化合物として存在する。
  微量でも下水浄化微生物や水生生物に障害を与える。

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＊有機燐化合物

• パラチオン、メチルパラチオン、ＥＰＮ、メチルジメトンの4種は水濁法でいう有害物質に該当
• している。ほ乳動物に対しても強い毒性を示し、また残留性も高く、食品や環境への影響を
• 考慮し昭和46年6月以降、パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトンは使用禁止の措置
• がとられている。

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＊鉛及びその化合物

• 鉛はあらゆる形のものに毒性があり、環境水では慢性中毒によるものが一般的に問題とな
  る。主な症状として、体内蓄積（主に骨）に起因し、食欲不振、頭痛、貧血、全身倦怠、便秘、
  不妊、流産などがある。また、環境水中の有機物による自浄作用（バクテリアなどによる有
  機物の分解）が、0.1～0.5㎎/lの鉛によって抑止されるとの報告もある。

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＊六価クロム化合物

• クロムの原子価はⅡ価、Ⅲ価、Ⅵ価を有し、自然界ではⅢ価とⅥ価のみがみられる。
  一般にⅥ価化合物は、Ⅲ価化合物に比べて毒性が強い。人に対する影響は主にⅥ価の化
  合物に起因し、肝臓・腎臓の障害などが発症する。

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＊砒素及びその化合物

• 元素それ自体の毒性は少ないが、Ⅲ価の化合物は毒性が強い。生体内で元素の砒素及び
• Ⅴ価の砒素化合物はともにⅢ価になり、原形質毒及びSH基酵素群に対する有害物質として
• 作用する。
• 食物中に混入した亜砒酸の中毒事件として、森永ヒ素ミルク中毒事件、和歌山毒カレー殺人
• 事件が有名である。

＊水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物

• 金属水銀、無機水銀化合物、有機水銀化合物などの水銀化合物の総量。
  一般に無機水銀は、消化管からの吸収率が低く有機水銀に比べて毒性は小さいといわれ
• る。魚介類への蓄積も、アルキル水銀ほどではないにせよ、起こる可能性があり、また水域
• 内、特に底質中である種のバクテリアの働きによってアルキル水銀に変化することも知られ
• ている。

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＊アルキル水銀

• メチル水銀、エチル水銀などのアルキル基と水銀が結合した有機水銀化合物。
  有機水銀もメチル水銀のような低級アルキル水銀は強い神経毒性を示すのに対して、フェニ
  ル水銀のようなアリール水銀は水俣病症状を示さず、無機水銀に近い挙動を示す。
  

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＊ポリ塩化ビフェニル（PCB)

• Polychlorinated Biphenylsの略。熱媒体、コンデンサー、トランスなど、広範に利用されていた。
• 昭和43～44年にかけて、PCB混入食用油によるカネミ油症事件の原因となったため、昭和
• 47年に製造は中止されている。
• PCBは安定なため、環境や食品などに残留し、ついには人体に蓄積し健康に害を与える。

＊トリクロロエチレン（ＴＣＥ）

• 有機塩素系化合物で、金属脱脂剤、溶剤、ドライクリーニングなどに利用され、人に対する
  発がん可能性物質として知られ、地下水中に長い時間残留する。個々の動物や食物連鎖
  による生態蓄積はないといわれる。

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＊テトラクロロエチレン（ＰＣＥ）

• 有機塩素系化合物。毒性はトリクロロエチレンと同様で、発がん性が指摘されている。
• 地下水中では蒸発せずに数ヶ月から数年間にわたり残留する。

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＊ジクロロメタン

• 人に対する発ガン性が疑われている有機塩素化合物。
• フロン113などに代わる代替物質に用いられる他、金属部品や電子部品の加工段階で用い
• た油の除去などに広く使われている。
• 環境水中に排出されたジクロロメタンは大気中に揮散し、数日から数週間で分解するが、
• 地上に排出されたジクロロメタンは容易に地下水に移行し、長期間残留する。

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＊四塩化炭素

• 大気中の寿命はきわめて長く、特定フロンと同程度のオゾン破壊能力がある。
  急性毒性（他に発ガン性も疑われる）が強いために、現在ではあまり使われていない。

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＊1,2-ジクロロエタン

• 中毒症状は四塩化炭素と類似し、発ガン性も疑われる。人体への蓄積性は有さないもの
• の、難分解性で、慢性毒性の疑いがある。

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＊1,1-ジクロロエチレン

• 環境中でトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタンなどの分解過程で
  二次的に生成するといわれている。発ガン性が認められている。
  

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＊シス-1,2-ジクロロエチレン

• １,2－ジクロロエテン、二塩化アセチレンともいわれ、シス体とトランス体がある。
• シス異性体は地下水中のトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンの分解生成物として確
• 認されている。発ガン性の可能性が低いが、比較的毒性が高く、高濃度では麻酔作用が
• ある。

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＊1,1,1-トリクロロエタン

• 大気中で比較的安定で広域に拡散しやすく、オゾン層破壊の原因物質。
  塩素系有機溶剤の中では最も毒性の低いものであり、体内に吸収されても大半が未変化
• 体のまま呼気中に排泄される。そのため、金属洗浄剤やドライクリーニング用洗剤などとし
• て大量に使用されたが、トリクロロエチレンなどと同様に広範囲に地下水を汚染している。

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＊1,1,2-トリクロロエタン

• 揮発性が高く、水中から大気に蒸散する傾向がある。溶剤としての用途の他に、粘着剤、
• ラッカー、テフロンチューブの製造などに利用されている。動物実験では発ガン性を疑わせる
• データもある。

＊1,3-ジクロロプロペン

• 有機塩素系の殺虫剤で、主に土壌中の害虫防除に使用される農薬である。強い刺激作用が
• あり、動物実験では肝および腎障害が認められている。人に対する発がん性を示す十分な
• 確証はないが、発ガン性の疑いがある。

＊チウラム

• ジチオカーバメート系土壌処理殺菌剤。ゴムの加硫剤としても用いられている。催奇形性が
• あるほか、咽頭痛、痰、皮膚の発疹、結膜炎、腎障害を起こす。

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＊シマジン

• トリアジン系の除草剤。ゴルフ場の芝生に使用されている。土壌中の移行性は小さいが、水
• はけの良いところでは河川や地下水を汚染するため公共水域での検出頻度は高い。

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＊チオベンカルブ

• チオカーバメート系の除草剤で人畜に対する急性毒性は低いため、劇毒物の指定を受けて
• いない。土壌に吸着されやすく、塩素により容易に分解される。また、揮散しやすく、大気中
• で太陽光により速やかに分解する。

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＊ベンゼン

• 化学工業製品の合成原料として知られる。人への健康影響は造血機能障害が主で、再生
• 不良性貧血、白血病の増加を起こし、また、発がん性がある。

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＊セレン及びその化合物

• 金属セレンの毒性は低いが化合物の毒性は非常に高く、神経障害、肝臓障害、皮膚障害、
• 胃腸障害、高度の貧血などの障害を起こす。

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＊ほう酸及びその化合物

• ほう素は自然環境中ではホウ酸塩として存在し、自然界で広く分布している。ほう素は高等
• 植物にとっては必須の微量栄養素であるが、ある種の植物においては欠乏と毒性の範囲が
• 狭い。
• 人体に関する毒性評価についての知見はまだ明確ではないが、ほ乳動物の病理的異常（心
• 血管系の先天異常・精巣萎縮・生殖不能・胎児体重の減少）が知られる。
• また、ほう素は植物体中に蓄積するが、水生生物の食物連鎖による生物濃縮はしないこと
• が知られる。

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＊ふっ素及びその化合物

• 飲料水として長期間摂取すると、斑状歯(歯のほうろう質に白黒様の斑点が生じ、更に色素
• が沈着して暗褐色になる病気)が生じ、更に摂取量が多いと骨硬化症とその他の障害が起
• こるといわれる。1mg/L以下程度の濃度であれば害はなく、むしろ虫歯の予防に効果がある
• とされ、水道水中にふっ素を添加する試みが行われたこともある。

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＊ダイオキシン類

• ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD,polychlorinated dibenzo-p-dioxin)の略称で、ダイ
  オキシン類対策特別措置法では、ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベ
  ンゾフラン(PCDF)及びコプラナPCB(Co-PCB)をあわせて、ダイオキシン類と呼んでいる。
  ダイオキシン類の異性体の中で特に毒性が強いのは、2,3,7,8-四塩化ジベンゾジオキシン(2,3,7,8-TCDD)であり、慢性毒性として色素沈着等があり、発がん性、催奇形性も高いとい
  われる。また、ダイオキシン類は外因性内分泌撹乱化学物質(いわゆる環境ホルモン)として
  疑わしいとして取り上げられている。

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＊全窒素（Ｔ－Ｎ）

• Total Nitrogenの略。水中に含まれている無機性窒素化合物（アンモニア性窒素、硝酸性窒
• 素、亜硝酸性窒素）と有機性窒素化合物（たんぱく質など）中の窒素の総量で、燐とともに
• 富栄養化の原因物質とされている。

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